無料カウンター 時空の扉 St.VAlentaine(逆ハVer) 忍者ブログ
捻りもなくただただ森村の日常。
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    St.VAlentaine(逆ハVer)



    「不二、相変わらず凄い数だにゃ」

    「英二だって結構貰ってるじゃない」

    青春学園、男子テニス部。
    練習が終わり部員で混みあう部室の中でスペースをとる紙袋 ―バレンタインの象徴である女子生徒からのチョコ類― を眺め、英二がほぅと感嘆の吐息を漏らした。次いで自分の分に目線を移し、顔を綻ばせる。
    こんなに大量のチョコを貰ってどうしろと言うのだろう、と思わなくもないけど・・・『貰えるのは嬉しい!』と素直に笑うところは、まぁ、英二の美点だろう。
    処分に困って眉間の皺を2割増させてる手塚はどうか知らないけど、この喜びようを見るとなんだか、両手に食い込む紙袋もイベント事と許せる気がしてくるし。

    「・・・ふむ。やはり1位は不二。次いで越前、菊丸か。どれも例年より数が増してるな」

    感想そっちのけで集計を取っているデータマンは、正直。
    どうかと思うし。

    とろんとした瞳で僕が集計の様子を眺めていたところ、横に居た英二が不意にそちらに向かってストップの声をかけた。

    「あ!乾!俺の集計まだ!このあともう1コ増えるからにゃ~♪」

    にんまりと、普段の彼にしては不適な笑みで口元を作る。
    こうきっぱりと断言するという事は・・・。相手は、聞くまでもない。

    彼女だ。

    「先輩の?まだ貰ってないの?」

    「荷物になるから今日の帰りに渡すってー」

    「つーか英二先輩。それなら全員1コずつ増えるんだから意味なくないすか?」

    「んにゃ?」

    「・・・いや。多分。全員分用意してくれてると思うけど・・・」

    きょとんと瞳を丸める英二に、大石が苦笑いで諭す。
    ・・・やっぱり、この単純さは難点かな。彼女の性格を考えたら、いくら幼馴染だからって、学校で渡すのに英二1人分だけを用意する訳はないのに。
    まぁ。


    『ねぇ。バレンタイン、何を作ってくれる予定なの?』

    『え?大丈夫なの?邪魔にならない?』

    『もちろん。楽しみにしてるからね』


    仮にテニス部宛てが無かったとしても、僕は僕で手を打たせてもらってたけどね。
    そう思って、内心こっそり微笑んでいたら。


    「ま、俺もう貰ってるけど」

    Σあれぇ!?

    1年ルーキーが小さな包み片手に爆弾発言を放り込んできて、一瞬動きが止まる。
    ・・・この慌しかった今日、一体いつの間に接触したんだろう。
    本当に君は、侮れないね。

    「こらーおチビー!なに1人だけ抜け駆けしてんだよー!」

    「抜け駆けって・・・アンタだってどっちみち貰うんじゃん」

    「だって俺今まですげー楽しみに待ってたんだぞー!フライングは邪道にゃー!」

    「そんなジャンプの早売りみたいな」

    ただ単純に自分より早く貰っている事にクレームをつける英二を前に、桃が微妙な表情で呟く。
    本当に、この猫は。先輩の威厳のカケラもない。
    どさくさ紛れに増えている気配に、胸中で問いかける。

    この原因の一端って、やっぱりさ。
    君でもあるんじゃない?


    「・・・残念ながら、そんな大層な物は用意してないんだけど」


    自分のチョコに対し幼馴染が駄々をこねている、という珍妙な場面にやってきた彼女は、どういう反応をしたら良いものか非常に複雑な面持ちで部室のドア前(僕の横)に佇んでいた。
    お疲れ様と声をかけると、すぐいつもの笑顔を向けて『そちらこそ』と返してくれる。

    乾が持っていたリストをひょいと取り上げ、感嘆の声を上げる。

    「わぁーお。分かってはいたけど相変わらず凄いわねぇ。これって全部食べんの?」

    「もち!兄ちゃん達に狙われても負けないもんねー!」

    「ムリ。親父とかが勝手に持ってくから任せてる」

    「・・・とりあえず一口ずつは貰うっす」

    「色々なのねぇ」

    悲喜こもごものコメントに、彼女は多くは語らず優しく笑う。
    まぁね、イベントだからね。多少の不平も口を閉ざすべきだと思う。夏祭りには人込みがあるし、海にはクラゲもいるし、花見には毛虫がつき物だけど。

    「まぁ、でも、イベントだからね。良い所を見ていかないと」

    夏祭りは活気があるし、海で泳ぐのは楽しいし、桜は本当に綺麗だし。
    ―――バレンタインには、“君からの”チョコレートだってある。

    そう思えば、不満なんか霞んでどこかに消えてしまう。


    「という訳で、皆様。ハッピーバレンタイーン♪」

    「ありがとう」


    愛が飛び交うこの1日

    今年も笑って切り抜けてみせよう。




    ・・・そう、思って。
    心地よく今日に終わりを告げる筈、だったのに。

    集計途中だというリストを掲げ、乾がぽつりと呟いた。

    「・・・人の事を気にするのは良いがな。お前はどうするんだ」

    「え?」

    「後輩をはじめ、女子から大量にチョコを貰っているだろう」

    「「!」」

    「中には男子からのチョコも」

    「「「「!!??」」」」

    「Σあれ、何で知ってるの?」


    一瞬にして緊張感に包まれる、テニス部部室内。


    ・・・バレンタインは余波として、あともう少しだけ、続きそうだ。






    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    何も出来ませんでしたのでせめて日記にて小ネタをば!
    気の向くまま流れるまま手を動かして出来たネタなので、書いてる途中にノッてきて普通に夢を書きたくなりました(笑。)>特にリョマ抜け駆けの所とか。


    ともあれ、いつも遊びに来てくださっている皆様へ、森村からチョコ代わりです(笑)。
    オフの方で用意したチョコはまた後にでもお披露目をば*
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